
日本の国会の与野党の問答などを見ていても、
「こいつら絶対に分かり合えねえな」と思わされる場面が多々あるし、
アメリカだって今まさに、分かり合えない連中との分かり合いなんか、
ハナっから諦め去ってるような男が大統領になっている最中である。
陰惨なのは、何もかもをできる限り話し合いで解決して行くことを本分とする、
議会制民主主義の国でそういった事態が頻発しているところで、
特に今のアメリカなどは朽木のごとき形骸化を来している部分だといえる。
話し合い以前に、この世に度を越した極度の不平等があり、そのせいで
「やるかやられるか」の不倶戴天な人間関係が生じてしまっている以上は、
そういう者同士の間に致命的な意見の相違が生じ、どんなに話し合ったところで
絶対に分かり合えないような事態を必ず招いてしまうものである。
ゆえに、何もかも話せばわかるというのも、基本的には幻想でしかなく、
仮に世の中の平等化が十分に行き届いて、不倶戴天の関係が解消されたなら、
今度はわざわざ話し合いで問題を解決しようとする必要性のほうが立ち消えになる。
そもそも論議というのは、論争の域に達した時点で、もはや無益である所以。
ある程度は意見が一致している者同士が、その意見をより洗練させて行くことを
目的として話し合うのでもなければ、人間は黙ってたほうがいい生き物なのである。
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